ファウストVol.7報告
悲しみは逆流して河になる
中華人民共和国文学界のトップランナー郭敬明の小説が日本初上陸。上海に住む思春期の少女の心情と境遇を痛々しくも「リアル」にえがいた作品。これを原語で読めないことが、非常に悔しいです。
竜騎士07 5000字インタビュー
『うみねこのなく頃にep1』発売前、『同ep1』発売後、『同ep2』発売後と三度にわたってのインタビュー。彼が「うみねこ」で何をしようとしているかがよくわかるインタビューです。ま、ぶっちゃけその道は北山猛邦や上遠野浩平が講談社ノベルスでとっくに通った道なんですけどね^^
ビアンカ・オーバースタディ
筒井康隆といとうのいぢのコラボ小説。なんだけど、二次元ドリームやMF文庫で出した方がいいような作品。間違っても『時かけ』のような展開を期待してはいけません。
「わたしはずっと前、ちっちゃな頃から、宇宙人だの未来人だのが、わたしの目の前にあらわれてくることを待ち望んでいたような気がするの。そしてわたしを、この退屈な、フツーの女の子の生活から、この退屈な男の子っていったらフツーの男の子しかいない現実から、どこか超現実的な、わくわくする世界へ連れて行ってくれることを乞い願っていたように思うの。だからこそ、宇宙人や未来人の出現が当たり前のように思いはじめていて、実際にあらわれていも平気でいられるように、いつの間にか自分を訓練していんだと思うわ」
p.973
オルガンのバランス VSイマジネーターPart5
上遠野浩平作品の主題の一つ、イマジネーター編の最新作。のはずなのだが、いつも通り登場人物同士が人生観を語り合い戦うというブギーポップ的展開。というかブギーポップやるなら、ファウストに書くなよ。
磔アリエッタ
北山猛邦の作品。「物理の北山」だけあって、フーダニットには注目しないこと。というか短編だから誰がやったかなんて、すぐにわかるだろ常識的に考えて。
青酸クリームソーダ
佐藤友哉作品。鏡家サーガ入門編。確かに、「馬鹿げた世界」に到着しないという時点で、鏡家サーガ入門編といわざるを得ないでしょう。しかしながら、他作品について蘊蓄を語ろうする姿勢は、まさに鏡家サーガです。
「トレーズ様はとっても偉いのよ。DIOは今まで食べたパンの数はおぼえてないけど、トレーズ様は今まで自分のせいで死んだ人間の数をちゃんと記録しているの。(後略)」
P.149
シャカイに降り立つおかっぱ頭
超能力を持つ少女と"カリスマ美容師"との交流を淡々と描いた作品。主人公は超能力を使って人を殺し続けることの方が日常といわんばかりの表現に戦慄をおぼえました。