葉桜が来た夏 星祭のロンド
狂った一族
「馬鹿はどっちだ売国奴め。アポストリどもに血だけではなく魂まで売ったか。」
南方大使に追い詰められた政策課長が吐いた言葉。
彼は知らなかったでしょうが、実際大使のやったことは非難に値しますからね。
妻子をもちながらも、異星人のトップにして軍事を司る<秋>*1の頭領、鶺鴒との間に子をもうける。
妻子が異星人に殺されても両種族の融和のために、生き残った息子、学にすら真実を教えない。
あまつさえ、学を政争のだしにして(共存の)危機をくぐり抜ける。
鶺鴒も鶺鴒だ。共存のためには軍事を司った<秋>の種族よりも<夏>*2の種族がふさわしいという理由で、南方との間にもうけた娘、星祭を政治から排除。代わりに養女にして<夏>の種族、茉莉花を評議長に据える。
その結果何が起こったか。<夏>の支配を快く思わない<秋>が、星祭を傀儡に据えてクーデターを起こしたのだ。戦争終結のための決断が、内部分裂を起こした。まさに悲劇。
そして、星祭逃亡。同胞のアポストリを憎むようになる。悲劇だ。
南方恵吾を中心とした系図
南方の姓は悪役を任ずる
クライマックスで南方学は、<秋>の代表者と交渉をした。その姿がまさしく終わりのクロニクルの佐山・御言にそっくり。急に賢くなり過ぎ。