8月を振り返って

もう10月になってしまいましたが忘れてしまわないうちに、8月の電撃文庫新シリーズをチェックです。

彼女はQ(クイーン) (電撃文庫)

彼女はQ(クイーン) (電撃文庫)

ミステリクロノ (電撃文庫)

ミステリクロノ (電撃文庫)

彼女はQ<クイーン

カード*1を用いたギャンブル小説。

本場のカジノでも見破られることがなかったイカサマの天才、阿美夏。確率を重んじる数学の天才、倉美子。勝負の天才たちが挑むゲームの行方は!?


私は、ライトノベルに対してキャラ立ちを重視するので、このように得意技や通り名を持つ登場人物に惹かれます。主人公もまれに見る幸運の持ち主ということで、ギャンブル小説にはぴったりの人材。
しかし、魅力はそれだけではありません。本来ならギャンブルには向かない「大貧民」を題材に1章使うなど、作者のカードに対する思い入れは以上です。
そして驚きのクライマックス。マーティンゲール法に見られるような財力と機転で勝利を得る結末に感服しました。

ミステリクロノ

道具をなくした天使がそれを探しに堕天してくる。その場所に居合わせた主人公。という「オチもの」にありがちなパターンですが、テンプレ展開は別に悪いことではありません。そんなこといったら水戸黄門は駄作になってしまいます。
今回の話は時間を元に戻す「クロノグラフ*2を見つけること。当然のように悪用しようとする人物に奪われる。誰が?何故?これが今回のテーマです。社会派ミステリーなみには納得できる流れ。
シリーズものなので続きに期待。

マルティプレックス―彼女とぼくのコミイッタ日々

オンラインゲームと現実との境界を扱った作品。*3

しかしある日、ゲームの世界から戻った勇太郎は、ゲームの世界で負った怪我が現実の世界に持ち越されることを知ることに!?

テーマは上記の他に、ボーイミーツガール。
現実の世界をきちんと取材して書いた作者に敬意を。しかしながら、終わり方がよかったために続編は難しそう。少なくとも『とある魔術の禁書目録』クラスのアクロバットが必要となる。

*1:トランプのこと

*2:タイムふろしきみたいなもの

*3:電撃は最近この手の話が多いと思う