2007年ライトノベル個人ランキング

もう大晦日なので、今年の総括でもしようかと思います

好きな作品

作者には申し訳ないのですがまさに「戯言」シリーズの後継作品です。パロディネタが各所にちりばめられいる点といい、凄惨な事件に巻き込まれていく点といい戯言が終った今、私が渇望していた作品はこれなのです。ヤンデレ?そこの議論にはいると色々とややこしいことが起きるので今回はパスです。

わずか200ページあまりにジブリの要素を凝縮した怪作にして快作です。遅筆で有名な作者ですが、秋山瑞人氏とのシェアワールド作品にも期待です。

ツッコミどころはいろいろとありますが、世界があまりにも美しいです。

『驚愕』の延期に伴い吉田直浅井ラボの例が思い浮かぶ今日この頃ですが、作品自体は大好きです。佐々木さん登場時にはミステリでよくある性別トリックを用い、後半ではテキストゲームのような分岐ものを用いました。それだけでもすごいのですが、佐々木さんという新しい登場人物の人柄のおかげで作品に新たな深みを増したような気がします。

投げっぱなし落ちで非難囂々だった作品。しかしながら私は、それでも問題ないです。それ以上に、とても優秀とは言い難い群衆の動きをシミュレートしきったのに感服いたします。

ライトノベルと同様に、名作古典も当時は高尚なものではなく娯楽の一環だった」という主張が時々見受けられます。じゃあ現代風に翻案しよう、というのがこの作品。見事に成功してしまいました。

これも世界が美しく、またコミカルなところもある作品です。

ヒーローもののお約束をどんどん逆用した作品。注目する点は『キノの旅』と同様にいつでも完結できるような形式になっていることです。

正当派ファンタジーをまたしても渡瀬氏が書きます。それだけでも満足。今度は長々と政争が続くわけでもなさそうです。

『リンネ』に比べて周囲の評価は非常に低いです。「月姫のパクリのガイドライン」にもろかぶりなので仕方がないのかも知れません。それでも好きなものは好きです。投げっぱなし落ちも慣れているので問題ありません。

合わなかった作品

好きな作品もあれば嫌いな作品もあるのは人の常です。
今回は今年話題になった作品で、私が好きになれなかった作品を挙げてみます。

合う合わない以前に買う気が起きませんでした。たかだか200ページの本に毎月1000円も払いたくありません。

主人公が設定上ビブリオマニアになる作品は、好きになれた試しがありません。何故かというと必然的に古典の話題が出てくるのですが、それがあまりにも薄っぺらく見える、もしくは自分の薄っぺらさを思い知らされてしまい、拒絶反応が出てしまうからです。

感動ものの作品は苦手です。ジャンルの性質上いかなる作品もご都合主義に見えてしまいます。



このような結果になりましたが、結局その作品の売りと私の好みが相反した結果になったのは言うまでもありません。私が悪いのであって、作品が悪いわけではないのです。