牧歌的衰退

人類は衰退しましたISBN:9784094510447

テキストゲーム作家

一般には「ギャルゲー」「エロゲー」とよばれていますが、『かまいたちの夜』『Clannad』「ひぐらしのなく頃に』など上記の定義には当てはまらないが性質としては似通っているゲームがあるので、私は「テキストゲーム」とよぶことにしています。
さて、現代のライトノベルではゲームライターも兼ねている方が存在します。奈須きのこヤマグチノボル竹宮ゆゆこ(敬称略)等ですが、今年の春小学館の新レーベルで鳴り物入りでデビューしたのが田中ロミオです。『CROSS†CHANNEL』が代表作らしいのですがあいにく私はそちら方面に疎いのでコメントを避けます*1

悲壮感なき衰退

舞台は遠未来の地球。かつて栄華を誇った人類(ヒト)は衰退し、妖精族が繁栄を極めていた。主人公は学校を卒業後国連の対妖精調停官に就任する。


あらすじはこのような感じなのですが、本当に悲壮感がありません。妖精とどこか抜けたやりとりをするのが本シリーズの魅力です。漫画でたとえるなら『ARIA』、ガンダムなら『∀ガンダム』、ゲームならば『牧場物語』「アトリエ」シリーズです。
小説では強いて言うなら『指輪物語』の人間とエルフの立場が逆になった感じでしょうか。この手の作品(特に『ARIA』)が好きなら読んでみてもいいかもしれません。

改行

ゲームライター出資の作家は得てして改行が多いようでして、本巻ではそのせいで価格が上昇するから、一応減らしたそうです。それでも多いのが本巻。『三銃士』並に多いです。

*1:そもそも私がやったテキストゲームは『I/O』のみです。その原案にロミオ氏が関わったのには驚きです