日本文学の終焉

1000の小説とバックベアードISBN:9784104525027
クリスマス・テロル―invisible×inventorISBN:9784061822696

ものを書くということ

「文学」なんてタグをつけていいのかどうか迷いましたが、純文学の賞である、三島由紀夫賞をとっているのですから、異論はないでしょう。
さて、本題。『1000の小説とバックベアード』は、一人のために分業で物語を書く『片説家』なる主人公が、会社をクビになり、「小説とは何か」という問に対して命がけで立ち向かう作品です。

世の中には『片説家』、『小説家』、『やみ』なるものが存在する。

片説家は、依頼主一人のためにグループで物語を書き、小説家は世界全体に向けて一人で物語を執筆する。そして、やみとは小説を冒涜するようなものを作り出す。
もはや何を言っているのか意味がわかりませんが、要は「お前は誰のために本を書いているのか、書いた先には何が待っているのか」ということです。

しかしながらこのテーマは作者が作家を一時休業する*1時に執筆された、『クリスマス・テロル』ですでに扱われているのです。
何故、そのときに評価されなかったのか。選者の目はフシアナなのか?アマゾンをはじめとしたレビュアーも三島賞を取った瞬間に評価を一転している。


ふざけるな。

取り乱して申し訳ございません。作品そのものは個人的にはあまり楽しめませんでした。とはいえ、純文学というのは楽しむよりも思念を伝えることを主眼としている作品もあるので、問題はないのでしょう

*1:はっきり言えば講談社から見捨てられた