メグとセロン IIIウレリックスの憂鬱

ISBN:9784048671262

時雨沢作品において画期的な一冊

時雨沢作品ではじめて拳銃が用いられなかった、画期的な作品です。バトルも一切存在しません。
さらに言うと、ヒロインたるシュトラウスキー・メグミカも、今までの「アリソン」サーガのヒロインとは違っております。前作・前前作のヒロインであるアリソン、リリアは男主人公の少年を引っ張っていくタイプでした。一方メグは正義感はあるけど引っ込み思案なタイプで、主人公に対しても奥手です。さらにややこしいことに、男主人公のセロンも奥手です。
そのやっかいな問題を解決する装置として存在する人物がセロンの友人です。彼はセロンの想いを知り、できる限りの協力をします。引っ込み思案なセロンを引っ張っていきます。今までは「ヒロインが男主人公を引っ張っていく」の図式でした。一方メグとセロンでは「友人が男主人公を引っ張っていく」図式になっています。彼は今までのヒロインの役割の一部を奪ったといえるでしょう。

過去のエントリ

メグとセロン
キノの旅11巻