カクレヒメ

ISBN:9784048671286

少年はとあることがきっかけで、難病の少女と出会う。

このサブタイトルを見てどのような展開を想像しましたか。普通の方ならサナトリウム系を考えたでしょう。ライトノベル読みなら、セカイ系*1、トラウマ系能力バトル*2を想像したでしょう。
この作品は序盤でサナトリウムと見せかけて、トラウマ系能力バトルに帰着しました。理由は簡単です。主人公も少女に類する境遇にいたからです。ヒロインと主人公に同種の力を与えておいて、ただのサナトリウムにするわけがないのです。その点で必然の展開。「某所で『半分の月がのぼる空』とにている」との指摘がありましたがそれは的外れで、寧ろそれは『銀色ふわり』に向けられるべき指摘でしょう。

関連エントリ

『銀色ふわり』

*1:この場合は「ヒロインの悲愴な戦いを主人公は見ているだけ」という程度のイメージ

*2:オレの造語。登場人物の負の感情や「欠陥」の副産物として手にした「力」で戦う