輪環の魔導師3 竜骨の迷宮と黒狼の姫

ISBN:9784048671323

新たなるヒロイン登場・そして覚醒

幼なじみ・迷宮の森の精霊ときて今度は猛獣を手名付けるお姫様がセロの元に参上。独占欲の強い幼なじみの行動がちょっと怖いです。
話のスポットは、主人公そのものよりも主人公陣営の他の人々に当たっていた本作。セロがピンチになったとき、最終的に助けてくれたのが3人のヒロインではなく、「主人公を導くもの」の役割にいるアルカインだったところがポイントです。主人公にもヒロインにも圧倒的な力は与えない。これが渡瀬流なのでしょうか。
そしてクライマックスでのセロの決意。

「……僕はもう逃げない」
セロが声を絞った
「魔族が仲間を増やすために、人の絆まで壊し続けるなら―僕も、アルカイン達と一緒に戦う。ヴィオレはもう、クローガさんの所に返してもらったよ」
―P.283

導かれる立場から、戦う立場へ変わることの決意。この巻は作品の大きなターニングポイントとなるでしょう。

過去のエントリ

輪環の魔導師