社会契約論/ジュネーヴ草稿

社会契約論/ジュネーヴ草稿 (光文社古典新訳文庫)

社会契約論/ジュネーヴ草稿 (光文社古典新訳文庫)

ルソーって聞くと、民主政治を思い浮かべる。
けれども、この社会契約論は君主政や貴族政も同列に扱っていて驚いた。
そして、読めば読むほど全体主義的な文章に。
曰、「多数決で私が負けたとき、それは私が間違っていたと言うことだ」
末恐ろしい。
もちろん、「全体主義」という評価は不適当。というのも、全体主義にならないような条件が、彼の述べる一般意志に基づく国家に用意されているからだ。
とはいえ、この書が誤読されているのも事実。マルクスと同じく「取扱注意」な書物でしょう。