ポスト『半月』その二
第12回電撃小説大賞“銀賞”受賞作家
受賞作『火目の巫女』『神様のメモ帳』はことごとくスルーしていた私*1ですが、今回の新作ラッシュで思わず手を伸ばしました。
ここで書くべき事かはわかりませんが12期の作家に対して積極的に手を伸ばすことはほとんどありませんでした。あの、『狼と香辛料』でさえもにちゃんねるライトノベル板大賞でTOPになってから手を伸ばした始末です*2。
登場人物(挿絵のある人物)
ナオ。音楽評論家の息子。主人公
真冬。天才ピアニストの少女。ヒロイン
千晶。ナオの幼なじみ。民俗音楽研究部所属
響子。民俗音楽研究部部長。自称革命家
このほかにも多くの魅力的な人物が登場します。はっきり言って書ききれません。
超能力は一切登場しない作品
タイトルで「ポスト『半月』」と銘打っている以上そうでなければ詐欺です。
ただ、『半月』というよりはオペラブッファに近いですね。とんでもない人物*3がでて、恋に落ちるという点で「非日常的」であります。
サブタイトル
どうも気になったのですが、章立てが細かくて単語を列挙するだけで章を示すのが村上春樹を思い起こさせました。
音楽
この作品には以下のような小ネタがでます。
「おれが死んだら棺桶にはストラヴィンスキーの『火の鳥』を入れてくれ。葬式でレクイエムとか流すなよ。マタイ受難曲にしろ。イエス・キリストの記録を塗り替える二日で生き返ってみせる」
このようにクラシックやロックのネタがばんばん出てきますのでそういう予備知識があるといっそう楽しめます。ただ、本筋には大きく関わらないので、予備知識無しでもOKです。
批評家として肝に銘ずるべき事
「批評家なんて存在自体が迷惑。あることないこと書いて」
(中略)
「自分が弾くでもないのに、人の演奏のうわっぺりだけ聴いて、あなたみたいにでまかせばっかり」