学園異能その一
ARISAチェンジリング ISBN:4840240701
学園異能の不毛な定義
「学園異能」という言葉を好まない方も多いかと思いますが、便宜上使います。
手っ取り早く言えば、主に「現代日本」の高校生が超能力でバトルを繰り広げるタイプの作品で、現代のライトノベルの主流を占めていると言っても過言ではありません。
では、今月の電撃文庫のラインナップから学園異能にカテゴライズされても「全否定できない」作品をリストアップしてみましょう。
- 灼眼のシャナXVI
- とある魔術の禁書目録(14)
- ARISAチェンジリング
- 吸血鬼のひめごと
- ツァラトゥストラへの階段
- 銀槌のアレキサンドラ
- BITTER X SWEET BLOOD/CANDY COLORED
勝手に解析してみた
あえてこの作品の要素を他の作品と結びつけてみます。
一応電撃の学園ものです。
- 平行世界どうしの争い(終わりのクロニクル)
- 異世界の少女が他の少女に取って代わり、異世界人と戦う(灼眼のシャナ)
- 学生に何らかの処置をして超能力に目覚めさせる(とある魔術の禁書目録)
- 主人公が誰だか解らないくらい視点が変わる。人大杉(ブギーポップ)
- ひとつの学園が事件の中心となる(Missing)
このような結果になりました。何か惹かれるものがあったら読んでください。
メタ視点
今回の着眼点は二つ。
- マンガで「絵に描いたような光景ですね」という台詞が出るようなやつ
- 他作品とのクロスオーバー
1については適切な言葉が思いつきませんでした。そのまんまです。「ライトノベルのような」なる文面があったというわけです。
2については、作者の過去の作品の登場人物が特別出演しました。これは「平行世界」という設定のおかげでしょう。
落ちの付け方
ライトノベルにおける新シリーズは主に1巻で打ち切られても大丈夫な構成になっています。これは、として新人賞に投稿される作品はすでに完結しているからという観点も有りなのですが、そう考えてしまうと『シャナ』を説明することが出来ません。同じように今回の『ARISAチェンジリング』も続ける気だが一応完結という形式になっています。*1これらの作品群の共通点を考えると、「前作が打ち切られ気味」という身も蓋もない結論になってしまいそうです。と、思って中里融司氏の著作リストを見ると長編シリーズが沢山ありました。どうやらこの作品も長続きしそうです。
*1:似たような例には『マルティプレックス』があります。