お約束展開かと思ったら(ネタバレ)

きみと歩くひだまりを ISBN:9784840241229

章題を読んで勘違い

この作品の章題は

  1. 相棒1
  2. 悪夢のち悪夢
  3. 発現
  4. 去りて、来たる
  5. 相棒2

となっています。「悪夢のち悪夢」というタイトルから、「相棒」が途中で変わると考えました。それはあっていたのですが、「相棒が死んだ」から相棒を新たに作ったと思った俺が間違いでした。
確かにはじめの相棒(ひなた)は絶体絶命に追い詰められたのですがそこからの展開が予想外でした。ひなたはその相手に登用されてしまったのです。
ヒロイン死亡というFF7的展開ではなく、海外赴任という橋田壽賀子的展開に驚かされました。

異世界ファンタジーと現代ファンタジーの境界

この作品は「ファンタジーRPG+現代学園+相棒もの」であり、「異世界ファンタジー」ではないそうです。
しかし私には「異世界ファンタジー」にしか思えません。
まず、平行世界が舞台となっていること。この作品は平行世界ものではありませんが、「15世紀にイタリア人が南太平洋上に魔物の住む大陸を発見した」という歴史が作中に示されていたので、私たちが住んでいる「現実」と「平行世界」であることは間違いないでしょう。
他にも、魔法の概念や「質量を持たないが存在するもの」等が記されている点、「魔物が世界を席巻して人類は衰退した」こと、「強力な魔法を賢者が残した」などが存在してるということが、はっきりとしたパラレルワールドを示しているのではないでしょうか。


ただ、そういうことを言ってしまうと「『シャナ』は異世界ファンタジーなのか?」「『ハルヒ』は?」ということになってしまいます。この作品は『ガンダム00』と同じく、現実の延長線上としての舞台となっていることが、この問題をややこしくしているのでしょうか。

台詞

「あなたに死なれると、また相棒登録で面倒な思いをしなくちゃならないから」

「あなたがどう思おうと、私が借りだって思った以上は借りなの。そして、私は他人に借りを作っておくのが嫌いなの」