今更ながら、電撃大賞

今更ながら、電撃大賞の感想を短く記します

大賞

ほうかご百物語ISBN:9784840241687

「百物語」だけあって、妖怪をテーマに据えたコメディです。「イタチっ娘萌え」なんて帯に書いてありましたが、私が気に入った点は各章における妖怪の解説です。この衒学的な描写がたまりません。舞台も学校の美術部。そういえば同じく怪異をテーマに据えた甲田学人氏の『MISSING』は文芸部でしたね。『百物語』は『MISSING』と違って鬱・グロ描写がないのが大きなポイントです。

金賞

君のための物語ISBN:9784840241663

視点が女性かと思ったら、男性だったということに度肝を抜かれました。「生きるということ」をテーマに据えた短編連作。これだけなら『しにバラ』『シゴフミ』等がありますね。絶対的な存在とただの人間。しかし、この作品の特筆すべきは主人公がどちらの側にも属さないということです。この第3視点こそが素晴しいと思います。ただ、最後にとってつけたようなバトルが残念でした*1

銀賞その1

藤堂家はカミガカリISBN:9784840241649
純粋な現代ファンタジー。神話を下敷きとしている。正直下の『under』のインパクトが強すぎてあまり記憶に残っていません。

銀賞その2

underISBN:9784840241632
登場人物全員が自分に酔っている。口癖が「F○ck」でもおかしくないキャラ立ち(全員)。下の様な感じです。

「ハローハロー、元気か糞ども。鉛球のデリバリーにきてやったぜ」

*1:塩の街』では編集の指示でバトル描写を入れたとのこと。今回もそうかも