生徒会の二心
日常
「このシリーズは、生徒会の様子を淡々と描いているものです。過度な期待はしないでください。」とでも言わんばかりの作品。本当に話が進まないです。前作『生徒会の一存』とほとんど変わりません。例えば、第四話の「休憩する生徒会」のラストはこうです。
俺は最後の手段を……三枚目のカードをとることにした。
『何も回収せずに話を終える。そして何事もなかったかのように始まる次回へ』
これがこのシリーズのコンセプトを如実に表しているのではないでしょうか。
いつか終る日常
しかし、そんな日常にも影が差してきます。生徒会顧問の登場です。この学園では、生徒会は学生のみの選挙で選ばれその権威は教師と同程度といわれているようです。そんなところに生徒会の顧問というものが登場。生徒会は一度解散させられます。翌日には同じメンバーが顧問によって「任命」され、生徒会メンバーは大喜びしました。皆様も疑問に思うのではないかと存じますが、果たしてこれは喜ぶべき事なのでしょうか?今までの生徒会は「生徒の信託の下」で運営されてきました。しかしこれからは違う。一教師の一存こそがその正当性の証明となるわけです。そのことについて、生徒会のメンバーが気づいていないのが痛い。最終話で会長は以下の発言をしています。
「生徒会シリーズの最終目標は、全校生徒からの全面的信任よ!」
このシリーズにストーリーを求めるとすれば、このような危うさから動いていくのではないでしょうか?