電撃テンプレとそれに関連して思い浮かんだこと

寝ぼけながら書いた。元々読みにくい文章がさらに支離滅裂になっていると思う。御容赦を*1

電撃テンプレ

特殊な力を持ったヒロインが平凡な主人公のありきたりな日常に非日常をもたらしつつ、同時に主人公のありきたりで平凡な生活に恋愛関係を持ち込む

涼宮ハルヒという名の物語の永続システム - オルタナティヴ・デイジーチェイン・アラウンド・ザ・ワールド
以上のエントリを見て「『断章のグリム』って電撃テンプレ作品じゃね?」という先輩の言葉を思い出した。彼の定義する"電撃テンプレ"とはどうも以下の要素を含んだライトノベルの事らしい。

  1. 舞台は(一応)現代日本
  2. 主人公は少年、特に中高生である
  3. 少女が非日常からやってくる
  4. 少女の襲来とほぼ同時に、主人公に災厄が襲い掛かる
  5. 少女の能力は読者にもわかりやすい、直接的な能力である
  6. 何らかの形で少年も力を得る
  7. 少年の力は「使いどころが難しいが、戦況を左右する」

こんな感じだ。早い話が『灼眼のシャナ』である。確かに、『断章のグリム』にも『灼眼のシャナ』にも上記の要素が完全に含まれていた。そこで他に当てはまるのはないかと考え、とりあえず電撃文庫総合目録で調べてみたのだが他に当てはまるのはなかった。当然といえば当然である。自分たちの都合のいいように仮説を組んだのだから。
ただ、気になった事が二つある。それは、「やたらボーイミーツガール(ガールミーツボーイでも、ボーイミーツボーイでも、ガールミーツガールでもなく)が多い」、「微妙な能力の主人公が多い*2」ということである。この二つの点についてグダグダとほざいてみよう。

ボーイミーツガールから話は始まる?

正直な話、ボーイミーツガールから話を始めるしかないのではないだろうか。物語は何か事件がないと始めにくいし、その事件のせいで誰かと出会うのも必定であろう。ということで、物語の始まりを分類してみた。

  1. 物語は登場人物にとって日常を扱うのか否か
  2. 非日常を扱うとしたら、その過程の中で誰かと出会うか否か
  3. 出会う相手は誰か

まず、3から検証する。「ボーイミーツボーイ」としてあげられるのは高畑京一郎の『ダブルキャスト』、「ガールミーツガール」としては久住四季の『トリックスターズ』、メディアミックス作品として公野櫻子の『ストロベリーパニック』があげられる。一方「ガールミーツボーイ」としては、壁井ユカコの『キーリ』があるだろう。
さて、残りのほとんどは「ボーイミーツガール」に分類できる。というわけで、「電撃文庫においては少年が少女と出会う形で物語が始まる事が多い」といえるだろう。


次に2について検証したいのだが、生憎「誰とも出会わず物語が終わる」というパターンは見つからなかった。よって1について考えよう。いきなりだが、俺の脳内結論を言うと「連作短編は冒頭に主人公達の決定的出会いをもってこない」ということになる。
連作短編ってのは、

  • 1冊の中に複数のエピソードが含まれている
  • それぞれのエピソードはリンクしている
  • 時系列がシャッフルされている

ものとして考えよう。具体的に言うと、『キノの旅』『しにがみのバラッド』『シゴフミ』『"不思議"取り扱います 付く喪堂骨董店』、レーベルが違うが『生徒会の一存』等である。
例えば『キノの旅』では第1話にキノが旅に出るきっかけを描いていない。『しにがみのバラッド』では死に神が何故死に神になったのかという理由を第1話で描いていない。"きっかけ"が不在なのである。コレは連作短編の特徴なのかと夢想してみた。
ま、例外として『撲殺天使ドクロちゃん』があげられるんだがな
さらに言うと長編でも『レジンキャストミルク』という、主人公とヒロインがはじめからペアをつくっている学園バトルものがまである。
此処まで読ませておいて、結論無しで非常に申し訳ない。

使いにくい能力の主人公について

次に「少年の力は「使いどころが難しいが、戦況を左右する」」について考えてみた。この設定って結構あるのである。
例えば『とある魔術の禁書目録』では、「魔術や超能力を無効化する右手」。
灼眼のシャナ』では、「自らが永久機関となってヒロインにエネルギーを供給する」。
断章のグリム』では、「事件を理解することでその事件を無に帰する」。
『付く喪堂骨董店』では、「人の死の未来が見える」。
輪環の魔導師』では、「魔族化した人間を常人に戻す」。
境界線上のホライゾン』では、「笑い続けていることで、皆にエネルギーを与える」。
これだけ書かれてもよくわからないとは思う。具体的に説明するのは面倒なので省くが、ぶっちゃけ単独で戦うことは不可能な能力だ。しかも彼らは他に能力を持たないのである。
でも、守ってくれる仲間がいればこれほど強力な力もない。例えば、「読者にもわかりやすい、直接的な能力」をもつ者達がいればどうであろうか。勝率は上がるだろう。何というかRPGの役割分担みたいだ。直接火力だけのパーティより補助役もいるパーティの方がボス戦では戦いやすい。いつもはヒロインに守られているけれど、いざというとき頼りになるジブン。コレが中途半端な能力の魅力なのかも知れない。
と、此処まで考えてきてラブコメにも似たような状況がないかと考えた。例えば『乃木坂春香の秘密』。万能なお嬢様の秘密を知った主人公。例えば『とらドラ』。暴力女の秘密を知って共同戦線を張る。
詰まるところ
日常:ヒロイン>>>>(越えられない壁)>>>主人公
事件時:主人公>>>ヒロイン
という構図が見いだせるのではないかと。
ウン、ライトノベルって少年の下克上願望を反映してるんだよ。多分。

*1:といって、安易にいいわけをするのが俺の悪い癖

*2:要はテンプレその7